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「動き出しは本人から」で社会の手詰まり感打破を!

2019.08.02 17:08|オススメBOOKS
この後に『「・・・」の介護実践』と続く介護分野の書籍です。

今、介護の現場で求められている「利用者本体(本位)」に大切な視座と実践知を提供。

介護者が現場で利用者の想いに気づき、力を活かすことができていないことを指摘し、目の前の利用者はできなくなった人ではなく、やらなくなった人。
「できない利用者」を前提に安心・安全を口実に益々「させなくなる」。利用者の「できる」を取り戻す為に普通に「させる」に変える必要があり、その一歩が「動き出し」の観察という訳です。


気になるキーワード
 @「介護する人→介護される人」という一方通行
@介護者に先手を打たれれば、利用者は後手にまわる(踏む)・ざるを得ない
@利用者は介護者に任せているのではなく、合わせてくれている利用者の動き出しに、介護者が合わせていくことが大切
@「動き出さない」理由を介護者が多くの場面でつくり上げている
@安心・安全の為の介助のはずが、実は利用者の恐ろしい思いをさせているかも・・
@例え小さな言動にも意味を見出し・感じ・待ち・応じる かかわりになると理解

 これらは介護予防や住民主体の通所型サービスでも疎かにできない視点です。
 更に、私たちが学んでいる「対話型ファシリテーション」の極意のひとつ「信じて待つ」にも繋がる重要なキーワードです。

 この書籍の前提は「(人は)何か行動しょうと思ったときには自然に身体が動くもの」です、それぞれの人生の中で培った行動(パターン)は体に染みついているのでレベルの高低はあっても思い起こし、自然に体が動くと断じていますが、如何でしょうか?!?人間行動学を覗いて観たい気もしますがここでは良しとしましょう。

 長年、地域住民活動を行っていた私たちには懐疑的になりがちですが、本人が感じ、動き出してくれることを待つ度量だけは持ち続けたいと思います。
 その為には丁寧な情報発信と学びの機会を大切にして、至る場面で感じる手詰まり状態の打破に繋げて、人々の微かな動き出しから小さなうねりが起きることに期待しましょう。

●大堀 具視 編著『「動き出しは本人から」の介護実践』

●中田 豊一 著 『対話型ファシリテーションの手ほどき』

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ヒグチのラッキーセブンの法則

2018.07.20 18:04|爺の話
タイトルは6月24日「戸山未来・あうねっと記念シンポジウム」の基調講演で樋口恵子さんが地域づくりに必要な7項目として披露されたものです。
以下に紹介させていただきます。

1:一点接着主義
  一人ひとりは皆違う、運動目標の内一点で共通項があればよい。一端を繋げば輪は大きく広がる

2:リアルタイム主義
  政治と運動は生もので動いてそして変わる。過去にとらわれず現在の問題に取組む意志が大切

3:ナットワーク主義
  人間は一人十色、様々な方面でのつながりが可能。特にリーダーは一粒の納豆が無数の糸を引いてつながることを学ぶべし

4:事務重視主義
  市川房枝先生のモットー「運動は事務なり」の受け売り。現場重視だけでは・・

5:人生を面白くする出番主義
  人生に必要なのは居場所と出番。日頃の活動はその人の居場所、イベントは多くのメンバーに個性を生かした出番を作る

6:行政とは協調と緊張の2チョー主義
  行政との協調・協力は当たり前、対等な緊張関係の維持が大切、でないと行政依存型になりかねない

7:夢と情報の共有主義
  兎に角知らせる、情報共有が明日への活力に繋がる。見果てぬ夢を見るのは高齢者の特権、砕け散っても夢のかけらは必ず誰かに引き継がれる

一つひとつが大きな気づきを与えてくれます、市民活動団体で有効活用してもらいたいものです。

今日のコラムは100%受け売りでした、チャンチャン!!

イギリスは「孤独」を国で支える

2018.02.05 12:32|爺からの議案
 1月17日英国のメイ政権が「孤独担当相」を新設のニュースに目が留まりました。

 英国のジョー・コックス下院議員が以前からこのテーマに取組んでいることを知っていました。残念ながら同議員は2016年国民投票直前に殺害されてしまいました。殺害がセンセーショナルな話題になりましたが、このテーマに熱心だったことを知る人はとても少ないのではないでしょうか。きっと、彼は今回の実現を心から喜んでいるはずです。

振り返って日本はどうでしょう!!
*孤独・孤立も自己責任
*所詮、死ぬときは一人。孤独・孤立の何が悪い
*そんなことに公的な金を使うな
  などなど

当面、国を挙げた取組みは「地域包括ケアシステム」だが・・・
地域包括ケアシステムの現状
+国が舵を切つて間もなく2年が経過するが制度が地域住民に届いていない
 ⇒PR 不足
+誰かが又は気持ちのある人が行えばよいことで私には無関係族が大多数
 ⇒地域課題「自分ごと化」の不足
+この制度が新たな取組みの為方法論・手法を旧来のボトムアップ方式に固執
 ⇒市区町村の勉強不足と形作り体質の蔓延

「孤独」「孤立」を自分ごと・自分達ごととする・できる地域(組織)文化を育てることが大切と考えます。
それには活動が運動体やうねりにならなくてはなりません。
奇しくも今年は特定非営利活動(NPO)法が施行されて20年の節目です。改めて非営利セクターが担い手の中核としてのその役割を果たすべきだと痛感しています。

大きな括りで言えば
 @活動分野が広まり且つ深化することは勿論大切だ
 @活動が一部の組織・活動人に留まらず地域に拡散する手立てが最も重要
 @そのためには「中間支援組織」の果たすべき役割り重大
 など


 健やかネットワークHPの「ささきのささやき」でも宣言したように、
これからは「ティール組織」の実践を目指します。一緒に学びましょう!!

                           2018年2月4日

今年は振り返ることを大切にする一年に

2018.01.15 18:19|爺の話
~そこから新たな一歩を踏み出せる地域社会を~
 
 年が明けて新聞の特集に「平成とは」「明治維新150年」などが目につきました。
 歴史の節目を意識してのことで読み応えがあり、読者の頭の整理にもなったが我々が取りあげられたテーマを「自分ごと」にまで落とし込み、日々の生活上の気づきに生かす流れになっているかが甚だ疑問のあるところであります。
 
 私なりに昨年を振り返れば既存の流れを黙認・静観し続ける体質に風穴を開けることの困難さを痛感した一年でありました。
その壁の強靭さにただただ呆れるばかりで、あるときなど恐れさえ感じることがありました。まさに自分の非力さを思い知らされたわけです。
 こんな中、ひょっとして多くの人達は現実に向き合い、時には振り返ることすら拒否しているのではないかと思えてなりません。そうであれば事態はかなり深刻と言わざるを得ません。各人がそれぞれ何らかの社会課題をわずかにでもゆるやかに持ち続ければ何かの拍子に声を上げたり、社会の流れを感じ取って行動に繋がる可能性が有るからです。
 その為の振り返りがスタートではないでしょうか!!

 こんなことを考えている間に早や松の内も終わってしまいました。
 今年の私の目標の一つは、一人でも多くの団体や個人に膝突き合わせた「辻説法」をおこなって共感と賛同の輪を広げることです。細やかでしょうがうねりを感じ取れる一年にしたいものです。

 乞うご支援!!!
 

2017年の振り返り

2017.12.30 16:46|爺の話
 元来、振り返ることの苦手な性格ですが「白ひげ爺さん」の名を頂戴したことでもあり、ちょっとだけ反省らしきことをしたいと思います。

新たな取組み
 *介護予防スペースで「ひこばえの会」をスタート
  例によって初回は主催者と演者のみ、余りの周知不足で演者が怒り出す一幕も・・・。
その後、口コミで少しずつ増え12月27日は8名の参加がありました。 「ゆっくり・のんびり」を本分として継続できればと思っています。
 *個人レベルでの支援・相談が増えました
  概ね週1回、認知症男性のサポートや活動が行き詰っている団体への援助など、個人レベルでの幅広い分野でのサポートが何件かありました。公的制度では抜け落ちる「個人のニーズ」に少しでも対応できれば弊NPOが掲げる助け合い・支えあい文化の醸成のとば口となることでしょう。
 *こども会で「キッズ料理教室」を開催
  南蔵院こども会をキックオフ時から支援していただいている東京家政大学栄養科和田涼子教授の提案で12月からスタートしました、料理開始時は1名でしたが途中から数名に増えサンドウィッチを作りました。こどもが主役になる活動の手始めとして定着できればと考えています。
次回は1月24日(水曜日)「冬野菜たっぷりのけんちん汁つくり」です。

やめたこと
 +監事の辞任
  介護保険がスタート以来の緩やかな関係を持っていた某NPOの監事を辞任しました。理由は形だけの監事を良しとしない為です。これを教訓に私たちNPOの監事との報告の徹底・情報の共有などを丁寧に行いたいと思います。

まとめ
 〇幾つかのサロンなどの現場では今年も大きな事故がありませんでした、参加者の自覚とスタッフ一人ひとりの気配りの成果だと思います。この流れは来年も継承したいですね!!

 〇我がたまり場やこども会の運営上の特徴は「当事者主体」にあります、やりたい人、例えば運営者は運営上の責任と当事者のサポートに徹することを良しとしています。正に「地域の・地域による・地域の為の活動」をこれからの目指します。

反省は・・・
「中途半端」の一言でしょうか?!?
 ▲「人生100年カレッジ(維新)」構想の具体化
 ▲こども会の深化
 ■新たな居場所づくり
力不足を痛感しています。

 27日の忘年会の席でこの「中途半端」を吐露したところ、参加者から世相と同じだとの指摘を受けました。政治・行政の分野で従来の手法を踏襲し抜けだそうとしない勢力がまだまだ大きな力を保持しています。そんな社会が新たな展開にならないもどかしさを痛感する1年ということ・・・。
 12月29日付の天声人語に「責任感の拡散」という言葉を取り上げています。「どうも人間は、自分がしなくても誰かが手を貸すだろうと考えがちな生き物らしい。人が大勢いるのに誰も何もしないのではなく、人が大勢いるから何もしない、という見方である」

 今年、私が関心を持ち始めた「神経〇〇学」(人間の「こころ」は心臓ではなく脳にあるという事実をベースに「神経経済学」「神経倫理学」など最先端の研究分野が育っている)や「社会心理学」から人に訴え・共有共感が導き出される方法論を引き続き来年も模索していきます。

こんな流れになるのでしょうか!!

 方法論=認識論+リサーチ・デザイン+手法

これにて今年のブログはおしまいです。

来年が実り多い1年になりますよう!!

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